名古屋大学 情報学部 3年次編入学試験
合格しました
令和5年度 名古屋大学情報学部 第3年次編入学試験に出願し、合格しました。 志願学科・系は、自然情報学科・数理情報系です。 東大については受験時に見つけにくかった解答用紙についての情報がおよそ半量になる体験記でしたが、 名大情報学部について無料で公開されている編入体験記は少ないため、詳しめの体験記を書くことにしました。
ぼく
所属
編入学の実績が非常によいところです。 クラス内順位はほぼ常に1位だったため、成績だけ見ればどこでも受かりそうだった、という感じです。
併願校
志望順位は
- 東京大学 工学部 計数工学科(第2志望なし):不合格(1次試験)
- 東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系:合格
- 名古屋大学 情報学部 自然情報学科:合格
- 広島大学 理学部 数学科:受験せず
- 愛媛大学 理学部 数学・数理情報コース:出願せず
数学と計算機科学、みたいなことがやりたかったため、かなり志望校が絞られてしまいました。 具体的には
- 東京大学 工学部 計数工学科 数理情報工学コース
- 京都大学 工学部 情報学科 数理工学コース
- 大阪大学 基礎工学部 情報科学科 数理科学コース
- 東京工業大学 情報理工学院 数理・計算科学系
- 名古屋大学 情報学部 自然情報学科 数理情報系
ぐらいしか候補が見つからなかったです。 第4志望以降がこれに含まれていないことについては閉口します。
試験と対策
対策は別で立項しようかと思いましたが、対策と結果がまとめて見れたほうが嬉しい気がするので、まとめます。
出願
志望理由書は3日ぐらいかけて書いたと記憶しています。 競技プログラミングをしているので、それを主題に「数理最適化がやりたい」と書くだけ、という内容でした。 合格するためにうんぬん、というよりは、書きたくて書きやすいことで埋めた、という感じです。
英語は TOEIC L&R を提出しました。 スコアは高専4年の6月に受験したもので、L430 R465 の 895 でした。 それが初受験なのですが、abceed というアプリで 10 回分相当の過去問を解いて慣れていました。 募集要項に得点の換算表がありますが、それによると 90 点です。
交通・宿泊
新幹線で名古屋駅まで行って、JR で金山駅へ。 金山駅周辺の名鉄イン名古屋金山に泊まりました。 近くに成城石井があり、前泊の夜はチーズケーキ、1日目の夜はプリンを買いました。
過去問
過去問は学校になく、現地に見に行くしかありませんでした。 が、交通費より安いものがあったので、これを買いました。 これは有料であり、受験前はこれを参考にしましたが、受験前日に現地で過去問を見たため、その範囲で過去問の傾向にも言及します。
今年度の問題については、詳細に記します。
1次:筆記試験
自然情報学科の出願者は 22 名でした。 受験者は数えていませんが、Twitter で 17 人と書いている人を見ました。 きっちりめだと思っている私服で行きました。 私服とスーツは五分五分ぐらいで、スーツの中でジャケットありなしが五分五分ぐらいだったと思います。
試験室に時計はありません。 時計は持っていくべきですが、そんなに時間管理が厳しい試験でもないはずなので、時計がなかったら全力で解くといいと思います。 また、床にきつめの傾斜があるので、球体など摩擦の小さいカバンを持っていくと置き場所に困る可能性があります。
小論文
特に何もしていません。
情報技術(人工知能とか)に関する一般向けの文章が A4 で 2 ページぐらいあり、 400 字で文章をもとに解答する問題と、400 字で文章に関連して自分の考えを書く問題がある、という形式です。
難解な文章でもなく、特殊な知識が要求されることもなさそうなので、特段対策は必要ないだろうと思いました。 実際、本番でも難しいとは感じませんでしたが、もちろん採点者の気持ちになったりするための対策はするに越したことはないでしょう。
今年度出題された問題は、「Google が AI で創る医薬品の未来とは?」 (一部省略・改変)について、「人工知能を用いたタンパク質構造予測の研究がサイエンスとして受け入れられるようになったのはなぜか」「サイエンスに対して人工知能のような情報科学がどのような役割を果たすと考えられるか」の 2 問でした。 何を書いたかは覚えていませんが、それらしいことをそれなりに論理的に書けたと思っています。
問題用紙は A4 が 3 ページで、解答用紙は B4 縦向き 1 枚で方眼横書きの解答欄が 2 つ、同じ様式の草稿用紙が 1 枚でした。
方眼は横 25 × 縦 16 で、4行ごとに文字数表記があります。
東大とは違って机には十分な幅があり、B4 を縦にそのまま置くことができます。
試験時間は 60 分で、30 + 25 の 55 分ほどで解答を終了しました。 本番で初めて小論文を書いたので、草稿用紙に書いている時間はありませんでした。
数学
過去問を 3 年分解きました。前述のこれです。
それ以外に対策は特にしていませんが、強いて言うなら東大受験のために東大の過去問を解きました。 行列(固有値・固有ベクトル・対角化)、微積分(1 変数微積分・2 変数極値・重積分)ぐらいでしょうか。 対角化・極値問題・重積分の計算練習をひたすらやるのが効率的な気がします。 少なくとも明石高専生であれば、授業を真面目に受けていれば満点近くとれるレベルだと思います。
今年度の問題と解答はこれです。解答は自作で、本番での解答とはやや異なります。 問題3 は 解1 が思いつけず 解2 をとったのですが、 の場合の例外処理を忘れていました。 思い当たるミスはそのぐらいでしょうか。
試験時間は 60 分ですが、問題3 で を陽に求めていたら計算ミスを重ねて時間をとられてしまい、 10 + 10 + 30 = 50 分ほどで解答を終了しました。 計算の工夫をきちんと考えれば全体で 30 分もかからない問題だったと思いますが、時間があるからと愚直に解いてしまったのは反省点です。
問題用紙は A4 が 3 ページで、問題文は短いので余白に書き込めます。 解答用紙は B4 が 3 枚で、1 枚につき大問 1 つを解答します。罫線なしで裏面も使用可能であり、スペースが足りなくなる心配はいらないでしょう。
1次合格発表
1次試験の翌日の 11:00 までに発表されるとのことでしたが、10:40 ごろに発表されました。
数学は満点近いだろうし英語は 90 点、小論文は知らないがまあ落ちないだろう、という気持ちでした。 同日 12:00 から面接なので、名古屋大学近くの八事駅のカフェで面接用のメモに加筆しながら待っていました。
2次:面接
前日から志望理由や興味のある研究室など、想定される質問と回答をメモしました。
面接の待合室では集合時間以降は電子機器が使用できないため、メモを持っておくのがよいと思います。 メモを読むだけでは暇を持て余すかもしれないため、本もあるとよいでしょう。
ジャケット・ネクタイなしのスーツで行きました。 全員スーツで、ジャケットを着ているのが半数ちょっとだった気がします。
腕時計を持っておらず、電子機器が使用できないため、面接にかかった時間は把握していません。 体感 5 分ですが、あまりアテにならず、10 分の可能性もあります。
試験官は 4 人横並びでした。 志望理由や興味のある研究室など、よくある質問にあらかじめ準備した回答をする時間が終わったあと、 2 問ほど内容に関して追加で質問があり、あっさり終わりました。
2次合格発表
8/31 17:00 に掲示、その後ホームページで発表されるとのことでしたが、17:04 ごろに発表されました。
不合格だった場合、その日に広島に発ち翌日の広島大学理学部編入試験を受ける予定だったので、 出発の準備をした状態で待機、するつもりでしたが、結局何も準備せず 17:04 を迎えました。
観光(すべて食事)
コンパルのエビフライサンドと、えびせんべい ゆかりがオススメです。
おわりに
質問などあれば、@cu_nit_ac や @cunitac にどうぞ。